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コンテンツマーケティングとは? ~ブログ記事を書いてみよう~

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2017
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コンテンツマーケティングとは? ~ブログ記事を書いてみよう~

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はじめに

「コンテンツマーケティング」という用語を聞いたことはあるでしょうか。

2016年の春ごろ、「コンテンツマーケティング」という用語が流行の言葉としてよく使われていました。
今現在(2017年秋)には流行は少し落ち着いているようですが、依然よく使われている用語ではあるようです。
「コンテンツマーケティング」という考え方そのものは一時の流行りではなく、用語が生まれる以前から実例が存在し、また、現在でも引き続き有効な考え方です。

インターネットに限って言えば、「コンテンツマーケティング」は、お金をかけずにアクセスが獲得できる、数少ない効果的な取り組みです。
このことから、「コンテンツマーケティング」は、ホームページを運営する際の基本的な取り組みのひとつと言ってもよいでしょう。

今回は、コンテンツマーケティングについて簡単に紹介しつつ、コンテンツの基礎となるブログ記事を継続的に書くためのコツについてもお伝えします。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、お客さんになってくれそうな人に「コンテンツ」を提供することで興味を持ってもらい、コンテンツを通じて関係を築き、最終的に利益をもたらすような取り組み、のことです。
「コンテンツ」は日本語で「中身」。つまり、記事や映像などの情報が「コンテンツ」になります。
新聞や雑誌なら、新聞や雑誌という形式(情報の入れ物)がメディア、そこに掲載されている記事が「コンテンツ」です。

少し古い例ですが、「啓蒙かまぼこ新聞」というものがあります。
後にマルチな活躍をされる中島らもさんが広告会社に所属していた時に、雑誌に掲載する連載広告として企画されて始まったもので、当時大きな反響があったといいます。
コンテンツを通じて興味を持ってもらい、企業の知名度向上や売り上げに結びついたという点で、「啓蒙かまぼこ新聞」はコンテンツマーケティングの成功例と言ってよいでしょう。

この「啓蒙かまぼこ新聞」は1982年にスタートしたそうです。
海外でも同様の事例は以前よりあり、コンテンツマーケティングと呼べる取り組みはインターネットが普及する前から存在していたと言えます(※1)。

以前からなされていた取り組みが、なぜ今、新たに注目を集めているのでしょうか。
それは、googleが検索の仕組みを変更したことと関係しています。

検索サイト最大手のgoogleが、「良質なコンテンツがあるホームページを、検索結果で優遇する」というアナウンスをし、実際にそのように検索結果が変化していったことから、「良質なコンテンツを量産する」重要性が増していきました。
そのため、「良質なコンテンツを量産するにはどうしたらいいか」ということが改めて注目されるようになり、そのための取り組みが「コンテンツマーケティング」という名前で呼ばれるようになったということです。

「良いコンテンツを持っているホームページは、検索結果が上がるようになった」ということですね。
現在ではSEO対策の大きな部分に「コンテンツ」が影響していると言っても過言ではありません。

さらに、良質なコンテンツであれば、「また読みたい」という読者(=ファン)を獲得できるため、リピーター対策としても有効です。ファンが獲得できると、長期的な利益の拡大につなげることができます。

少し難しいので、別の例で説明します。
たとえば、どこかのブログに、宣伝ではなさそうな普段の様子がわかる記事が載っているのを見て、なんとなく親しみを覚えた、という経験はないでしょうか。
普段の様子がわかる記事を何度か目にすると、さらに親しみがわいてきます。
親しみを抱いていると、ひいきにしたくなります。長期的な利益に繋がるというわけです。

コンテンツマーケティングで目標とするのは、このように「記事(コンテンツ)で親しみを持ってもらい、その親しみを強めていく」ということだと考えられます。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングの利点は、なんと言ってもコストをかけずに始められるという点があげられます。
「コンテンツ」は、動画や写真をはじめ、様々な種類がありますが、基本的な取り組みとしてブログを書くだけでも十分に効果が見込めます。
ブログを書こうと思ったら、無料で始める方法はいくらでもありますし、自分で書く限り費用はかかりません(※2)。


コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングの欠点は、ある程度手間がかかるということになるかと思います。
ブログ記事をひとつだけ書いても効果はあまり望めないでしょうから、継続して記事を書いていく必要があります(※3)。

さらに、載せる記事は何でもいいというわけにもいきません。
大前提として、「自社のお客さんになってくれそうな人」に届くような内容であることが必要です。
さらに、できるなら興味を惹くような内容だったり、他の記事も読みたくなるような内容であった方が、関係を築くのに向いているでしょう。

このように、コンテンツマーケティングは、上手に続けて行くためにある程度の工夫や努力が必要という点で障壁があると言えます。
継続的に工夫や努力を重ねていくのは大変に思われるので、コンテンツマーケティングの取り組みを辞めてしまう場合も少なくないのではないでしょうか。

ですが、取り組みを辞めてしまうところがあるならば、一方でチャンスがあると見ることもできます。
次の項からは、ブログ記事を想定して、継続的にコンテンツ制作を続けて行くためのアイディアをお伝えします。
(※4)


どうやって記事を書き続ければいいのか

コンテンツマーケティングで最初に壁となるのは、継続的に記事(コンテンツ)を書き続けるという事でしょう。

記事は短文でも大丈夫ですし、写真を入れるなら、スマートフォンのものでも十分です。
まずは継続することを目指しましょう。

...と言って締めたいところですが、それがわかっていても続かない場合が少なくありません。

がんばって記事を書いてみても、目に見えるような反応がないと、それだけでやる気がそがれてしまうという事は大いにあるでしょう。
実際のところ、ある程度記事を書きためないと目立った効果は生まれにくいようです。
効果も反応もないまま努力をし続けていたら、むなしい気持ちになってしまうことは当然かもしれません。

そんな時は、逆転の発想をしてみるのもひとつの方法です。

「定期的に記事を書く」と決めてしまいましょう。
たとえば、「毎週火曜日に記事を書く」と決めたら、携帯電話の予定表に予定を入れておいて、その日になったら思い出せるようにしておきましょう。
身近な人に「毎週火曜日に記事を書くから、忘れていたら教えてほしい」と伝えておくのも効果的でしょう。

締め切りが設定されていると、なんとかそれに間に合わせようとすることを「締め切り効果」と呼ぶことがあるようです(※5)。
締め切りがないものは、ついつい後回しにしてしまうものですから、締め切りを設定し、自分を追い込むのは有効だと考えられます。

このように、締め切りを設定して記事を書くようになると、最初は苦し紛れかもしれませんが、いつの間にか「次はこんな内容を書こう」と自然に考えるようになるでしょう。
そうなればしめたものです。

ここで大事なのは、「無理をしない」ということです。
トレーニングなどを継続できる人と、途中で挫折してしまう人を比べてみたとき、「何かの事情で続けるのが難しいとき、一時中断してまた再開した」人のほうが、「無理して続けた」人より長続きするという調査結果があるようです。
定期的に続けることは大事ですが、無理をして続けても、どこかで疲れてしまいます。

また、頑張ることで燃え尽きないように、記事をごく簡単にするなど、慣れるまではできるだけハードルを下げる工夫が必要です。

慣れるまではあまり気負わず、無理のない範囲で取り組む方がよいでしょう。


どうしたら記事の質が向上するのか

定期的に記事を書くことが無理なくできるようになったら、次は質を高めていくことを考えましょう。

(SEO的に)質の高いコンテンツとは、以下のような条件を備えていると言われています(※6)。

1)独自性がある
他の焼き直しではない、独自のコンテンツであるか。

2)信頼性がある
内容が信頼できるか。
自分の視点ではなく、根拠になる記事やデータを示されているか。不確かな部分はないか。

3)興味に応えている
その検索ワードを使った人の、知りたいことに応えているか(※7)。


3つだけとも言えますが、どれも一筋縄ではいかないものばかりです。
文章を書きなれた人ならともかく、これから記事を書いていこうという時、この条件をすべてきちんと守ろうとするのは大変です。

この3条件は頭の片隅に入れておいて、まずは「読ませる」記事を書くことを意識するほうがよいでしょう。
ただし、1)独自性があるに関して、記事の盗用はペナルティがあるため、すべきではないでしょう。

では、「読ませる」記事はどうやって書けばいいのでしょうか。
有効かつ実行しやすい方法としては、書いた記事を人に見てもらうというものがあります。

新しく飲食店を開業するとき、オープン前に知り合いを呼んで実際に食べてもらい、改善点を指摘してもらう、というのは有効な方法のようです。
当事者は気づかなかった点が、第三者からはよく見えることは非常によくあるからです。

人に記事を見てもらった結果、「何が言いたいかわからない」「つまらない」といった辛らつな評価が返ってくることがあります。
ですが、そこで落ち込む必要はありません。

あなたは、自転車に乗ることはできますか? もしくは、自動車の運転免許を持っているでしょうか?

自転車などの練習を始めたての頃は、おっかなびっくりでうまくいかず、「自分には向いていない」と思うこともあったのではないでしょうか。
それが今では、特に意識することなく自転車に乗ったり、自動車を運転したりできているはずです。
同じように、文章が相手に届かないのは、今はまだ「読ませる記事を書く技術」がないというだけのことです。

読ませる記事を書く技術は、ある程度までは、才能とはあまり関係なく身につけられるものです。
(自動車の運転はたいていの人ができますが、その全員がレーサーになれるわけではありません)

文章の練習も、自転車に乗る練習と似たようなものだと思えば、それほど抵抗なく受け入れられるのではないでしょうか。

ある程度「読ませる」記事が書けるようになってくると、少しづつ反応が返ってくるようになります。
反応が返ってきたら、やる気を持続する一助にもなるでしょうし、「どんな記事を書くと喜ばれるのか」ということが探れるようになります。

「当たり前のことだから、わざわざブログに書くようなことじゃない」と思っていた事柄に新鮮な反応があるというように、反応から新たな気づきを得るということも起こり始めます。
これは、身近な人からは得られにくい貴重な情報です。

ここまで来ると、ホームページはプラスの循環に入りつつあると言ってよいでしょう。
(※8)


どうしたら記事が売り上げにつながるのか

記事を定期的に書けるようになり、
書く記事の質も、とりあえず言いたいことが伝わるものが書けるところまできたら、アクセス数にも変化が見られることでしょう。そうなったら、次のステップを考えましょう。

記事を充実させていく目標は、売り上げを向上させる、ということでした。
売り上げに結びつく記事というのは、どんな記事でしょうか。

それを知るには、成功事例である他のホームページを見て研究するのが一番です。

あまりに有名なホームページであるせいか、紹介されることが少ないように思いますが、
日本におけるコンテンツマーケティングで特に成功している例のひとつとして、「ほぼ日刊イトイ新聞」を挙げることができるでしょう。

「ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)」は、1998年にコピーライターとしても有名な糸井重里さんが中心になって開設されたホームページです。
「ほぼ日」社長でもある糸井さんによる日替わりのコラムをメインに、商品や企画などを紹介する記事がコンテンツの中心になっています。

そして、ページ内に他社の広告を入れずに、オリジナル商品や提携した商品の販売によって収益を上げるという、なかなかできないことを実現しているホームページでもあります。
コラムも商品紹介の記事も面白く、ついつい共感してしまうものが多いことが、こうした収益モデルを支えているといってよいでしょう。

「ほぼ日」では、記事で人をひきつけ、ページのファンになってもらい(関係を築き)、共感したファンが商品を購入するという流れができており、コンテンツマーケティングの理想的な実例だと言えます。

扱っている商品では「ほぼ日手帳」が有名ですが、他にも様々な商品を扱っており、たとえば、農業に関するもの、野菜についてのものなどもあります。
こうした商品についての記事をよく読んでいくと、読者を共感させるための工夫が様々に見つかるはずです。
(野菜の記事を例にとれば、「生産者の思いと消費者の視点とのギャップを、インタビュアーがうまく埋めている」など)

読者を獲得するためのコンテンツと、商品を紹介するコンテンツは別にしておく(時に連動する)というのもポイントかもしれません。
読者を獲得する、ファンになってもらう、収益につなげる、という各段階で、それぞれ違う味付けのコンテンツがある方が望ましいからです。

真似をすることは難しいでしょうが、参考になる部分を見つけるにはよいお手本と言えるでしょう。


終わりに ~まずは記事を書いてみましょう~

「ほぼ日」に限定しなくても、参考になる実例はいくらでもあります。
自分のホームページに近い実例も、検索すれば簡単に見つけることができます。

ホームページごと、商品ごとに最適なコンテンツは異なります。
また、書き手の個性によって変わってくるところも大いにあるでしょう。
他の事例を参考にしつつ、自分なりの最適な記事の書き方のスタンスを身に着けていけるように心がけてください。


繰り返しになりますが、
まずは信じて始めてみる。
効果が出なくてもしばらく続けてみる。

ということが重要です。
定期的に記事を書いているだけでも一定の効果はあるはずですので、無理のない範囲で取り組んでいくことをお勧めします。

※1 こうした広告手法が登場した背景には、マスメディアの普及とともに、画一的な宣伝が通用しにくくなったという事情があると思われます。
情報の受け取り手が、あからさまな広告に拒否反応を示すようになったことを受けて、新たな手法の発明に至ったというわけです。
※2 ブログとホームページを別々に持っていると、SEO的には効果が分散してしまうと考えられます。
すでに一定のアクセスをもつブログがある場合は別として、ブログはホームページ内に設置する方法がお勧めです。
※3 SEO対策では、コンテンツは質が重要だと言われることがありますが、量ももちろん重要です。
また、時折記事を追加することで「継続して活動している」ということを示す意味もあります。(ホームページの更新をしばらくしていないと、活動しているかどうか、外からはわからなくなってしまうことがあります)
※4「コンテンツマーケティング」という言葉には、「マーケティング」という言葉が含まれていることから、記事などのコンテンツを制作するだけでなく、その反応を分析して、次の施策に反映させていくというニュアンスがあります。
この記事では、ブログを開始して継続することに重きを置いているので、分析、反映というプロセスを省いていますが、分析、反映のプロセスももちろん重要です。
※5 心理学の用語と思われますが、明確な出典は不明です。代わりに、関連しそうな論文を紹介します。 http://ymatsuo.com/papers/neru.pdf
※6 googleによる解説記事にも、おおむね同様のことが書いてあります。
※7 例)「長野県 蕎麦」で検索すると、長野県にある蕎麦店の情報が上位に並びます。
 「長野県 蕎麦 歴史」で検索すると、長野県での蕎麦栽培や蕎麦関連食品の歴史についての情報が上位に並びます。
 この違いは、「その検索ワードを使う人は、どんなことを知りたいのか」という違いによるものです。
 蕎麦の、伝統ある郷土食という面を強調したいなら、「長野県 蕎麦 歴史」という検索ワードを意識して記事を書いたほうが、読者の期待に応えやすいと言えるでしょう。
※8 反応はコメント等の形で返ってくるとは限りません。
アクセス状況なども反応のひとつと考え、分析してみると様々な発見があります。

参考:
googleトレンド 「コンテンツマーケティング」
啓蒙かまぼこ新聞
「ほぼ日」の商品はなぜ売れる? コンテンツマーケティングの事例として分析してみた :: 株式会社イノーバ

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